戦後の英国文化最大の立役者とも称されるサー・テレンス・コンラン(1931ー2020)。日本では1994年、西新宿にオープンした「ザ・コンランショップ」によってその名が知られ、バブル直後の日本における建築・デザインブームの火付け役となり多くのファンを得ました。
コンランは、1940年代終わりからデザイナーとして、また家具などの作り手として活動し、1964年にはライフスタイルを提案しつつプロダクトを販売する、当時まだどこにもないようなショップ「habitat(ハビタ)」の先駆的経営に成功します。さらには現在でいうセレクトショップや、モダン・ブリティッシュと称された新しい料理スタイルのレストラン経営、都市開発プロジェクトやデザインミュージアムの設立、多数の著作など、ほぼ半世紀にわたってそのデザイン理念を精力的に実践し、世界中に影響を与えてきました。
コンランが提案しつづけた「生活の質に意識的になること」によって誰でも手に入れることができるモダンなライフスタイルや、「PLAIN, SIMPLE, USEFUL(無駄なく、シンプル、機能的)」をキーワードに、自身が手がけたプロダクトや愛したモノ、残された資料やさまざまなインスピレーション源をたどりながら、英国の生活文化を変えたといわれるコンランの世界観とその功績を紹介します。いわばコンランからのメッセージともなる本展は、展示デザインやグラフィックに気鋭のデザイナーを起用し、インスタレーションやビジュアルにこだわった展示方法も展開予定です。
(プレスリリースより)